在宅医療のことを知ると人生にポッと火が灯る
LifeWell えーきちブログ
在宅医療のかしこい使い方

在宅医療クリニック【機能強化型】【在宅緩和ケア充実診療所】

在宅医療クリニックとは、在宅医療を行うクリニックのことで訪問診療や往診をしてくれます。

在宅医療クリニックと一口に言っても、実は「レベル」があります。

ここでは、質の高い在宅医療を提供してくれる在宅医療クリニックとその探し方についても紹介していきますね。

ツッコミハム太

クリニックって病院と同じなん?

えーきち

クリニックも医療機関ですが、病院ではありません。20床以上の入院病床のある医療機関が『病院』。19床以下なら、診療所・医院・クリニックになります。

クリニックは、町のお医者さん、かかりつけ医ってイメージかな

在宅医療を行うのは、クリニック(診療所・医院)だけでなく、病院でも在宅医療部門を持ち、在宅医療を行っているところもあります。

ツッコミハム太

在宅医療ってどんなクリニックでもできるものなん?

えーきち

可能です。でも、できれば在宅療養支援診療所【1】or【 2】、病院の場合なら在宅療養支援病院【1】or【 2】にお願いした方がいいと思いますよ。

在宅療養支援診療所とは?

在宅医療を行うクリニック(診療所・医院)や病院の多くは、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の認定を受けています。

在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院とは、在宅医療を行うための体制を整えていますよという目印のようなもの。

在宅療養支援診療所を名乗るためには、基準をクリアして地域の厚生支局(厚生労働省の地方局)に届け出て、認可を受ける必要があります(在宅療養支援病院も同様です)。

在宅療養支援診療所の施設基準
  • 24時間365日体制で連絡を受け、対応する医師または看護職員がいる。
  • 24時間365日体制で、往診や訪問看護ができる。
  • 緊急入院の受け入れ体制確保している

(施設基準の一部抜粋したものです)

24時間365日対応してくれて、急に入院が必要になった時に対応してくれる入院先があるというのですから、自宅で療養する方にとっては安心この上ないことです。

在宅療養支援診療所には、ランクがある!?

在宅療養支援診療所1か2を推す理由

しかし!在宅医療の案内人えーきちとしては、もっと突っ込んだ情報をお伝えしたいと思います。

在宅療養支援診療所には、ランクがあるのです!

ツッコミハム太郎

ひ〜〜っ!クリニックにランクがあるんかい!?

えーきち

在宅医療を担当する常勤医師の人数や過去1年の緊急往診、看取り実績によって【1】【2】【3】に分かれているのです!

ですので、これから探すならば「在宅療養支援診療所1」か「在宅療養支援診療所2」を目安にしてください。

「在宅療養支援診療所1」「在宅療養支援診療所2」は、【機能強化型在宅療養支援診療所】とも呼ばれます。

機能強化型在宅療養支援診療所の施設基準(抜粋)
  • 在宅医療を担当する常勤の医師3人以上
  • 過去1年間の緊急往診の実績が10件以上
  • 過去1年間の看取りの実績または超・準超重症児の医学管理の実績のいずれかが4件以上

(【単独型】の施設基準)

緊急往診とは、開院時間中で患者さんを診察している時に、他の患者さんやご家族から往診の依頼があり、その状態が急性心筋梗塞や脳血管障害(脳梗塞や脳卒中など)など、重篤な病気が予想されて往診すること言います。

医師が1人しかいないクリニックだと、診察中に他の患者さんから往診依頼があっても同時に対応することは難しいですよね。でも、医師が複数名いれば対応もしやすくなります。急を要する患者さんにどれだけ対応したか、対応できる態勢を取っていたか・・・という能力のことだと考えてください。

そして、過去1年間に4件以上のお看取りをしたか、人工呼吸器が必要なほど重度の障害を持った子どもさんを在宅医療で4人以上診ているかどうか・・・これは、そのクリニックの在宅医療の実力だと考えてください。

在宅療養支援診療所【1】と【2】の違いですが、1つの診療所でこの基準をクリアする診療所は【単独型】と呼ばれ【1】に、複数の診療所や病院で連携して基準をクリアする診療所は【連携型】と呼ばれ【2になります。

在宅療養支援診療所【1】

機能強化型在宅療養支援診療所
【単独型】

1つの診療所で基準がクリアできる力がある!

在宅療養支援診療所【2】

機能強化型在宅療養支援診療所
【連携型】

複数の診療所や病院で連携して基準をクリア

こう並べると、【1】の単独型の方が断然スゴいクリニックのように思えますが、【2】の連携型にももちろん、メリットがあります。

例えば、入院施設のないクリニックが入院施設のある病院と連携し、緊急な入院にもスムーズに対応できたり、専門科の違う医師(泌尿器科と呼吸器内科など)が連携すればが違えばお互いに患者さんの治療法なども相談できます。

その結果、患者さんがきめ細かいケアを受けられることになるのです。

在宅療養支援診療所【1】【2】の見つけ方

お住まいの地域の在宅療養支援診療所&病院の探し方ですが、日本医師会が提供している地域医療情報システムを利用する方法があります。

地域医療情報システムの検索画面
  1. 「施設別検索」というページを選びます。
  2. 利用したい都道府県名を選び、市町村名を選びます。
  3. 【在宅機能】のうち「在宅療養支援診療所1」「在宅療養支援診療所2」にチェックを入れます。
  4. 【検索】ボタンが下部にあるので、スクロールして見つかったらクリックします。
検索結果画面

上記は、愛媛県松山市で「在宅療養支援診療所1」「在宅療養支援診療所2」で検索した結果です。

この検索結果の施設名をクリックしても、地図は出ますが、各施設のホームページには繋がりません(残念)。

目ぼしい診療所を見つけたら、再検索してホームページでどのような診療所なのかを確認してくださいね。

最強!?在宅緩和ケア充実診療所

えーきち

機能強化型の在宅医療クリニックには、さらなる強化パーツがあります。

ツッコミハム太郎

強化パーツって、なんやモビルスーツみたいやな。

えーきち

末期がん患者さんへの医療用麻薬の使用や緩和ケアの研修を受けた医師が在籍していたり、緊急往診や看取りの実績が多い機能強化型在宅療養支援診療所は、「在宅緩和ケア充実診療所」になれるのです。

ツッコミハム太郎

ほな、その「在宅緩和ケア充実診療所」ちゅーのが一番強いヤツなんやな

えーきち

一番強いかどうかは別にして・・・末期がんの方や自宅でのお看取りを希望されているなら、在宅緩和ケア充実診療所を目安に選ぶ方が安心できるかもしれませんね。

末期がんの方や自宅で看取りを考えている方が安心して自宅で過ごせるように国も制度を整えようとしています。

末期がんの方や自宅でのお看取りをするには、高い品質の在宅医療が求められます。

その高い品質を評価したのが、この在宅緩和ケア充実診療所と言えるでしょう。

末期がん患者さんへの医療麻薬の使用実績や、研修を受けた医師の在籍、過去1年間の緊急往診の実績が15件かつ自宅でのお看取りの実績20件以上と、かなり高度な基準をクリアすると在宅緩和ケア充実診療所になれるのです。

ですので、末期がんの方や自宅でのお看取りを考えている方は、在宅緩和ケア充実診療所を掲げる在宅医療クリニックを探してみてはいかがでしょうか。

在宅緩和ケア充実診療所の見つけ方

お住まいの地域での在宅緩和ケア充実診療所の見つけ方ですが、一覧表のようなサイトは存在しないようです(見つけたら、お知らせします)。

まず、先ほどお伝えした方法で在宅療養支援診療所【1】【2】を見つけたら、各診療所のホームページで在宅緩和ケア充実診療所かどうかを確認する以外に今のところ方法がないようです。

在宅療養実績加算を算定しています」という記載のある在宅クリニックも、お看取りや末期がん患者さんへの緩和ケアに力を入れている目安になります。

常勤医師を3人確保できないために機能強化型になれなくても、看取りや緊急往診の実績があるクリニックは「在宅療養実績加算」を算定するためです。

【機能強化型】【在宅緩和ケア充実診療所】のデメリット

ツッコミハム太郎

ええことだらけと思ったら、デメリットがあるかい!

えーきち

一般のクリニックより、費用が高くなります・・・

質の高い在宅医療を患者さんに提供するためには、それなりに人員や設備も整えなければならないために、一般の診療所に比べると高い診療報酬が設定されています。

診療報酬とは、健康保険を利用して医療を受けた場合に健康保険の保険者から支払われる費用のことですが、この価格は国が定めています。

例えば緊急往診加算を見てみると・・・

緊急往診の費用の違いを見てみよう

往診料の720点にそれぞれの緊急往診加算を加算すると

一般
クリニック
在宅療養
支援診療所
機能強化型
病床なし
機能強化型
病床あり
緊急往診
加算
325点650点750点850点
合計1,045点1,370点1,470点1,570点

「一般のクリニック」と「機能強化型病床あり」の差額は、525点

機能強化型の在宅療養支援診療所は、入院病床の有無で診療報酬が違っています。

一番高い「機能強化型病床あり」と「一般クリニック」では、520点の差があります。

診療報酬は1点10円で計算されますから、健康保険の自己負担割合が1割の人なら緊急往診1回で525円の差、自己負担割合が3割の人なら1回で1,575円の差になります。

このような診療報酬の差は、他の費用にも結構あるため、総額になるとまあまあの金額差になるかと思います。

ただ、医療費については高額療養費制度などもありますので、また別ページで紹介していきますね。

ツッコミハム太郎

ええもんは、それだけの費用がかかるということやな。

質の高い在宅医療を受けられる分、費用が高くなるということだけご理解いただければと思います。

ABOUT ME
えーきち
永吉裕子(ながよし ゆうこ) 【介護支援専門員(ケアマネジャー)、鍼灸師、あんま・マッサージ指圧師資格取得】 在宅医療を主体とする医療機関に13年間勤務。 その間、たくさんの在宅患者さんやご家族と出会い、全国の素晴らしい在宅医療関係者と出会いました。 在宅医療で可能になる「生き方、逝き方」をすべての日本人に知ってもらいたい。 「最後の日まで、自分らしく生きる」ために、在宅医療と上手に付き合ってもらいたいと考えています。