在宅医療のことを知ると人生にポッと火が灯る
LifeWell えーきちブログ
在宅医療・介護雑記

在宅医療業界用語に思うこと。そのコトバ通じてる?

このブログは医療業界ではない一般の人、または在宅医療業界ではない人向けに在宅医療の使い方を知ってもらいたくて書いています。

私自身は医療従事者ではないので(鍼灸マッサージは、医療類似行為なので、厳密には医療従事者ではないです)、治療や薬については述べることも述べるつもりもありません。

医療専門用語を使うことはほぼないブログですが、それでもこれは業界用語で一般の人には伝わりにくいのでは・・・と思う言葉が多々あります。

今回は、そんな用語についての私の思いをつらつらと書いていく、駄ページですので、お時間があればお付き合いください。

そもそも、「在宅医療」か「訪問診療」か

まずもって、在宅医療は「在宅医療」と書くべきなのか、「訪問診療」と書くべきなのか問題。

私自身、ブログを書いていて、在宅医療と書くべきなのか、訪問診療と書くべきなのか悩みながら言葉を選んでいます。

「訪問診療」とすると、訪問診療だけしてるわけじゃないからなぁと個人的にはちょっとだけ違和感を覚えてしまうわけで・・・

診療報酬名に「訪問診療料(正式名称は在宅患者訪問診療料)」があって「往診料」がある。よって、「訪問診療」と「往診」は違うし、「訪問診療」=「在宅医療」って言ってしまっていいのか?ということに引っかかっているのだと思います。

クリニックの看板を見ていると、「内科・呼吸器内科・訪問診療」というところもあれば、「整形外科・在宅医療」と掲げるところもあったり、「在宅医療(訪問診療)」としているところもあります。

こういう時は、原点回帰だ! たんぽぽクリニックはどう表記してたっけ?とホームページをチェックすると・・・

うむ?ご利用にあたっては「訪問診療」だけど、ロゴには「在宅医療」とある・・・混在型だな。

そういえば、「○○往診クリニック」という名称の在宅医療クリニックもよく見かけようになりました。

「○○訪問診療クリニック」というのもwebで調べると出てきます。

業界内も用語の使い方に混乱しているということ???

「在宅患者」って、一般の人に通じるの?

そして、自宅で療養して在宅医療を受ける患者のことを「在宅患者」と呼ぶこと。

「在宅医療」の「患者」だから、「在宅患者」っていうの?

「在宅」している「患者」だから、「在宅患者」っていうの?

でも、同じ状態の人を介護保険サービス系の専門職は「利用者」って言葉で呼ぶよね・・・

「在宅患者」って言葉、若い人や介護を経験していない人まで含めて、どこまで通じるんだろう?と使いながら不安になる言葉です。

いや、言葉というより用語だな、これぞ使っている本人たちが気づいていない、ザ・業界用語。

ということで、介護保険がまだ施行されていない時代の辞書で調べてみた。

ざい-たく【在宅】〔名〕スル 外出しないで自分の家にいること。「今日は一日在宅しております」「ー看護」

大辞泉1998年 第1版

複合語として、「在宅ケア」「在宅福祉」はありましたが、在宅医療はなし。1998年には辞書にも載っていない言葉だったんですよね。

もちろん、「在宅患者」という言葉もないです。

でも「在宅看護」という言葉が当時もあったことにちょっと驚き。今でいうところの「訪問看護」のこと?

おっと、話を戻しましょう。

「在宅」って言葉のイメージとしては、あくまで「(外出もできるけど、たまたま)自宅にいる」という印象があります。

定期通院の必要な患者の私が、たまたま家にいたら「在宅患者」って名乗れるんじゃないの(←かなり強引)なくらいの違和感を「在宅患者」という言葉に感じます。

実際に私の夫や夫の母には、「在宅患者」という言葉は通じません。夫の父は在宅医療を受け、在宅患者だったにも関わらず、です。

私自身は「在宅患者」は在宅医療・介護系専門職にしか伝わらないと思っています。

なので、文章ではできるだけ、「自宅療養患者」という言葉を使っています。

在宅医療関係の専門職が対象の時のみ、「在宅患者」という用語を使うようにしています。

「居宅」なんて言葉、使ったことないけど

さらには「居宅」っていう言葉。

ちなみに、在宅医療&介護関係者が「患者の居宅で・・・」または、「あの患者さんの居宅は?」と言った場合、前者は「患者さんの自宅」の意味、後者はケアマネジャーのことを指します。

後者は、ケアマネジャーが所属している「居宅介護支援事業所」のことを縮めて「居宅」と呼ぶことから、ケアマネジャーのことを「居宅」と呼ぶようです(みんなではない気がします)。

「居宅」なんて言葉、在宅医療業界で働く以前の40年間で、使ったことあったけ?

とりあえず、介護保険がまだ施行されていない時代の辞書で言葉の意味を確認してみる。

きょ-たく【居宅】住んでいる家。すまい。

大辞泉1998年 第1版

あ、意外に普通に「住んでいる家」の意味でした。漢字を見れば意味はわかるし、知らない言葉ではないけれど、普段の生活ではまず使わない言葉です。私の場合。

「あなたの居宅はどこですか?」←これはしっくりこないな。

「これが私の居宅です」←う〜ん、まだこっちの方が使えそうですね。

漢字で見れば、家っぽいことは伝わりますが、「キョタク」って音だけ聞いたら、聴き慣れない分、「あ〜あの大物を釣り上げた時にとるアレね」←「それは、魚拓や!」ってな音になりませんか?(私だけですか?スミマセン)

在宅医療・介護用語には「在宅」と「居宅」が入り混じってますが、「在宅療養指導管理料」のように在宅」が頭につく用語は医療保険の診療報酬「居宅療養管理指導料」のように居宅」が頭につく用語は介護保険の報酬と区別ができる・・・ような・・・気がします・・・。

すべての用語を確認する気力も体力もありませんが、そんな傾向があります(たぶん)。

一般の人は理解できている?

在宅医療では、在宅患者さんの居宅に月2回訪問診療に伺います。必要があれば24時間体制で往診もします

在宅医療関係者は、新規患者さんやご家族、一般の人にこういうフレーズでさらりと説明しがちです。

でも、この説明の中の「在宅医療」「在宅患者」「居宅」「訪問診療」「往診」という言葉は、患者さんもご家族もさっぱり理解できていないと考えておくべきです。

例えば、こんな感じに言い換えてみるとどうでしょう?

在宅医療では、ご自宅で療養される患者さんの元に月2回定期的に医師が診察に伺います。必要があれば定期外でも、24時間体制で診察に伺います

一般の人でも、これなら理解していただける感じですかね・・・

どういう言葉を使えば一般の人にも理解してもらえ、安心してもらえるのか。

在宅医療が社会に広がっていくために、言葉一つ選ぶことにも気遣いものです。

大事なのは「伝える」より「伝わる」こと。

私自身も言葉、特に用語には気を付けつつ、情報を発信していきたいと思います。

在宅医療用語に戸惑う患者と家族
ABOUT ME
えーきち
永吉裕子(ながよし ゆうこ) 【介護支援専門員(ケアマネジャー)、鍼灸師、あんま・マッサージ指圧師資格取得】 在宅医療を主体とする医療機関に13年間勤務。 その間、たくさんの在宅患者さんやご家族と出会い、全国の素晴らしい在宅医療関係者と出会いました。 在宅医療で可能になる「生き方、逝き方」をすべての日本人に知ってもらいたい。 「最後の日まで、自分らしく生きる」ために、在宅医療と上手に付き合ってもらいたいと考えています。